【BMW 4シリーズ】歴代モデルの特徴や変遷、現行ラインナップを紹介 ※2025年版

近年はSUVの人気が高く、実用性を重視した車種が多くラインアップされています。

実用性を第一に求めるのであれば、セダンやSUV、ステーションワゴンなどのモデルを選択するのが良いでしょう。

しかしBMWには2ドアクーペを基本とする貴重なモデル「4シリーズ」がラインアップされています。他のシリーズにはない美しさを持ち、多くの車好きを魅了している、BMW 4シリーズについて詳しくお伝えしていきます。

 

BMW 4シリーズとは

4シリーズは、BMWの中核モデルである3シリーズをベースに、2ドアクーペ化したモデルです。

近年のBMWは、

  • 奇数のシリーズ(3・5・7など)・・・主に基本となる4ドアセダンモデル
  • 偶数のシリーズ(4・6・8など)・・・主に基本モデルをベースとしたクーペ・スペシャリティモデルなど

というルールに則りシリーズをラインアップしています。

※Xシリーズ(SUVモデル)・iシリーズ(BEVモデル)・Mモデル(ハイパフォーマンスモデル)は、アルファベット表記となっています。

この中で4シリーズは、「スペシャリティモデル」に分類されます。

4シリーズは、ベースとなる3シリーズと比べ、「ワイド&ロー」なフォルムが特徴です。

また、キドニーグリルはほかのモデルと比べると縦に長く、メッシュ形状が採用されているのもポイントです。

走行性能もベースの3シリーズよりも高められているため、走りを楽しみたいという方にも最適です。

惚れ惚れする美しいデザインと、意のままに操れる運動性能が、ドライバーを非日常の世界にいざなってくれるでしょう。

 

歴代のBMW 4シリーズ

4シリーズは、1960年代に登場しBMWの経営危機を救った大ヒットシリーズ、「ノイエ・クラッセ」に設定された2ドアモデル「1600-2」がルーツとなっています。

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「1600-2」は、その後名車「2002(通称:マルニ)」に発展すると、1975年に3シリーズとして独自展開されます。

3シリーズの登場初期は2ドアモデルのみの設定でしたが、後に4ドアモデルも追加。この4ドアモデルが、現在の3シリーズセダンのルーツになります。

一方、2ドアモデルの方は、2代目以降も3シリーズのモデルとして発展していきます。

初代E21型、2代目E30型の2ドアモデルは、「2ドアセダン」と呼ぶべきスタイリングをしており、現在のようなBピラーの無い「2ドアクーペ」のスタイルとなったのは、3代目E36型クーペからです。

やがて3シリーズは世代を追うごとに大型化、高級化への道を歩み始めます。

そこでBMWは、どちらかというとコンパクトでスポーツ志向が強い、クーペやカブリオレのモデルを独立展開させることを決定。2013年に4シリーズの市販モデル第一弾として、4シリーズクーペ(F32)を発表します。

ここから4シリーズの歴史が始まりました。

初代 F32/F33/F36型(2013年-2020年)

初代4シリーズは、3シリーズとしては6代目に当たるF30型から派生したモデルです。

ラインアップは現在の4シリーズに繋がるクーペ、カブリオレ、グランクーペの3本柱となっていました。

クーペ(F32)

3シリーズ(F30型)の2ドアバージョンで、5代目3シリーズクーペ(E92)の後継モデルにあたります。

当時のモデルラインは「Sport」「Modern」「Luxury」「M Sport」の4つを設定。ガソリンモデル以外にディーゼルモデルもラインナップされており、ミッションは6速MTが標準で、オプションとして8速ATが設定されていました。

また、ガソリンモデルにはBMW独自の4WD技術「xDrive」を搭載。FRベースの4輪駆動で、優れたコーナリング性能と走行安定性の両面を合わせ持っていました。

【初代4シリーズ428iのスペック】

モデル名 428i
全長×全幅×全高(mm) 4,640×1,825×1,375
エンジンの種類 ガソリン
総排気量(cc) 1,997
最高出力(ps/rpm) 245 / 5,000
最大トルク(kgm/rpm) 35.7 / 1,250-4,800

カブリオレ(F33)

初代クーペと同時に発表されたカブリオレはオープンモデル。3シリーズカブリオレ(E93)の後継車にあたります。

先代にあたるE93型と同様にリトラクタブルハードトップが採用され、20秒でクーペスタイルからフルオープンスタイルにすることが可能でした。

4シリーズカブリオレはミドルクラスの車格で後席が設けられており、よりゆったりドライブが楽しめます。

【初代4シリーズカブリオレ435iのスペック】

モデル名 435i
全長×全幅×全高(mm) 4,640×1,825×1,385
エンジンの種類 ガソリン
総排気量(cc) 2,979
最高出力(ps/rpm) 306 / 5,800
最大トルク(kgm/rpm) 40.8 / 1,200-5,000

グランクーペ(F36)

美しいボディデザインはそのままに、実用性能をプラスした4ドアモデルです。

6シリーズグランクーペ(F06)の発売で人気となった4ドアクーペ市場に参入するかたちで、2014年に加わりました。

美しい見た目からは想像できないほど実用性が高いモデルとして、現在も中古車市場で高い人気があります。

【初代4シリーズグランクーペ435iのスペック】

モデル名 435i
全長×全幅×全高(mm) 4,640×1,825×1,395
エンジンの種類 ガソリン
総排気量(cc) 2,979
最高出力(ps/rpm) 306 / 5,800
最大トルク(kgm/rpm) 40.8 / 1,200-5,000

2代目 G22/G23/G26型(2020年-)

現行モデルである2代目G22型は、2020年にデビューしました。

先代同様G20型3シリーズのクーペバージョンという立ち位置は変わりませんが、BMWの新しい顔となる縦長のキドニーグリルを採用するなど、3シリーズと大きく差別化されています。

現在のラインアップは「クーペ」「カブリオレ」「グランクーペ」の3本柱に加え、新たにBEVモデルの「i4」も加わっています。

現行BMW 4シリーズの特徴

現行型の4シリーズは、デザインや機能性、スポーツ性能がうまくバランスしたモデルとなっています。

先代の頃から定評のハンドリングの良さはしっかりと引き継がれており、伝統のFR駆動やシルキーシックス(直列6気筒)エンジンが搭載されているグレードもラインアップされています。

また、現行型のインテリアデザインは、現在のBMWのトレンドデザインである「BMWカーブド・ディスプレイ」が採用されています。

※2024年には一部仕様が変更されています。(ヘッドライトのLEDデザイン、Mパフォーマンスモデルのブレーキキャリパーカラー変更などが実施)

4シリーズのサイズ・ラゲッジ容量

4シリーズは、3シリーズと同じミドルクラスのモデルですが、3シリーズセダンと比べると、低くてワイドなボディとなっています。

※5シリーズは、3、4シリーズよりも一回り大きいラージクラスセダンとなります。

4シリーズのラゲッジ容量は、クーペが440L、カブリオレが300­〜385L、そしてグランクーペが470Lとなっています。

全てのモデルがキャビン一体型で、リアシートを折り畳むと奥行きが一気に広がるような設計。両サイドには小物入れも設けられています。

ゴルフバッグを積み込む場合、ラゲッジルーム単体であれば1〜2個(横置き)、リアシートを畳んだ状態で1〜3個(縦置き)収納できます。

※ゴルフバッグの大きさにより収納可能数は変化します。

【3・4・5シリーズのサイズ比較】

モデル名 3シリーズ セダン(318i M Sport) 4シリーズ クーペ(420i M Sport) 4シリーズ グランクーペ(420i M Sport) 5シリーズ セダン(523i Exclusive)
全長×全幅×全高(mm) 4,720×1,825×1,440 4,775×1,850×1,395 4,785×1,850×1,450 5,060×1,900×1,515
ホイールベース(mm) 2,850 2,850 2,855 2,995
最低地上高(mm) 141 127 140 154
乗車定員(人) 5 4 5 5
ラゲッジ容量(L) 480 440 470(1,290※後席折り畳み時) 520

4シリーズの燃費

4シリーズのカタログ燃費値は、次の通りとなります。

モデル名 クーペ(420i M Sport) クーペ(M440i xDrive) カブリオレ(420i M Sport) カブリオレ(M440i xDrive) グランクーペ(420i M Sport) グランクーペ(420d xDrive M Sport) グランクーペ(M440i xDrive)
WLTCモード(km/L) 13.5 11.3 13.1 11.1 13.3 15.8 11.3
市街地モード(km/L) 10.1 7.5 9.8 7.6 9.8 12.9 7.7
郊外モード(km/L) 13.7 11.6 13.1 11.4 13.3 15.1 11.7
高速道路モード(km/L) 15.6 14.2 15.3 13.6 15.7 18.1 13.8

直列4気筒エンジンを搭載する「420i M Sport」の場合、WLTCモード燃費が13km/L程度。直列6気筒エンジンを搭載する「M440i xDrive」の場合、11km/L程度となります。

また、ディーゼルエンジンを搭載する「420d xDrive M Sport」だと15km/L以上。しかも使用燃料は軽油であるため経済的です。

 

現行BMW 4シリーズのラインナップ

現在販売されている4シリーズは、

  • クーペ
  • カブリオレ
  • グランクーペ
  • 新型 i4 ※グランクーペ

がラインアップされています。

クーペ

2ドア仕様のベーシックなモデルです。

現在日本に導入されている4シリーズクーペは、2L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載した「420i M Sport」と、3L直列6気筒ガソリンエンジンを搭載したMパフォーマンスモデル「M440i xDrive」の2車種があります。

両モデルとも8速ATを搭載しており、駆動方式は「420i M Sport」がFR、「M440i xDrive」が4WD(xDrive)となっています。

2ドアモデルではありますが、4人乗り仕様であるため実用性も高め。日常的に車に乗られる方でもご満足いただけます。 

モデル名 420i M Sport M440i xDrive
全長×全幅×全高(mm) 4,775×1,850×1,395 4,775×1,850×1,395
乗車定員(人) 4 4
ラゲッジ容量(L) 440 440
エンジンの種類 直列4気筒DOHCガソリン+ターボ 直列6気筒DOHCガソリン+ターボ
排気量(cc) 1,998 2,997
最高出力(kW〔ps〕/rpm) 135〔184〕/ 5,000 285〔387〕/ 5,800
最大トルク(Nm/rpm) 300 / 1,350­4,000 500 / 1,800­5,000
WLTCモード燃費(km/L) 13.5 11.3
車両本体価格 714万円 1,136万円

カブリオレ

先ほど紹介したクーペのオープンモデルです。

オープン仕様の車は「ロードスター」「コンバーチブル」「スパイダー」などの呼び名もありますが、BMWでは主にフランス・ドイツ語圏で使われる「カブリオレ」が採用されています。

※MINIに関しては元々英国メーカーでしたので、英語圏で使われる「コンバーチブル」の呼び名が使われています。

 

現在日本に導入されている4シリーズカブリオレは、クーペ同様「420i カブリオレ」「M440i xDrive カブリオレ」の2種類がラインナップされています。

 

現行モデルのカブリオレは、先代のリトラクタブルハードトップからソフトトップへと変更。ソフトトップは滑らかな曲線形状で車体デザインと見事にマッチしており、クローズド状態のデザインも好評です。

 

また、ソフトトップは時速50km/h以下であれば走行中でも開閉動作が可能で、急な天候変化にもすぐに対応できるため、気軽にオープンスタイルが楽しめます。

 

モデル名 420i M Sport M440i xDrive
全長×全幅×全高(mm) 4,775×1,850×1,395 4,775×1,850×1,395
乗車定員(人) 4 4
ラゲッジ容量(L) 300-385 300-385
エンジンの種類 直列4気筒DOHCガソリン+ターボ 直列6気筒DOHCガソリン+ターボ
排気量(cc) 1,998 2,997
最高出力(kW〔ps〕/rpm) 135〔184〕/ 5,000 285〔387〕/ 5,800
最大トルク(Nm/rpm) 300 / 1,350-4,000 500 / 1,800­5,000
WLTCモード燃費(km/L) 13.1 11.1
車両本体価格 798万円 1,214万円

グランクーペ

4ドア仕様のモデルです。

 

グランクーペは5人乗り仕様。リアシートは折り畳んでの収納が可能です。しかもキャビン一体型のトランクは汎用性が高く、長尺物の荷物も楽に積み込めます。

 

こちらもベースモデルの2ドアクーペと同じグレード展開となっていますが、唯一ディーゼルエンジンを搭載する「420d xDrive M Sport」が追加されています。

 

モデル名 420i M Sport 420d xDrive M Sport M440i xDrive
全長×全幅×全高(mm) 4,785×1,850×1,450 4,785×1,850×1,450 4,785×1,850×1,450
乗車定員(人) 5 5 5
ラゲッジ容量(L) 470(1,290※後席折り畳み時) 470(1,290※後席折り畳み時) 470(1,290※後席折り畳み時)
エンジンの種類 直列4気筒DOHCガソリン+ターボ 直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ 直列6気筒DOHCガソリン+ターボ
排気量(cc) 1,998 1,995 2,997
最高出力(kW〔ps〕/rpm) 135〔184〕/ 5,000 140〔190〕/ 4,000 285〔387〕/ 5,800
最大トルク(Nm/rpm) 300 / 1,350­4,000 400 / 1,750-2,500 500 / 1,800-5,000
WLTCモード燃費(km/L) 13.3 15.8 11.3
車両本体価格 740万円 798万円 1,012万円

新型 i4

2022年に登場したi4は、グランクーペをベースとしたBEVモデルです。

日本には後輪駆動の「i4 eDrive40」と、前後2つのモーターを配して4WD化したEV初のMモデル「i4 M50」の2車種が導入されています。

特筆すべきは「i4 M50」で、最高出力544馬力、最大トルク795Nmという圧巻のパフォーマンス。あのM8を上回る性能を持ちます。

また、i4はガソリンモデルのグランクーペと若干デザインが異なるのもポイントです。

キドニーグリルはハニカム形状のパターンデザインで、19インチのアルミホイールはBEVオリジナルデザインを採用。

グランクーペをベースとしているため実用性も高いため、初めてBEVモデルに乗られる方にもおすすめです。

モデル名 i4 eDrive40 i4 M50 xDrive
全長×全幅×全高(mm) 4,785×1,850×1,455 4,785×1,850×1,455
乗車定員(人) 5 5
ラゲッジ容量(L) 470(1,290※後席折り畳み時) 470(1,290※後席折り畳み時)
パワーユニット 電気モーター(リア) 電気モーター(フロント&リア)
モーター最高出力(kW〔ps〕/rpm) 250〔340〕/ 8,000 前190〔258〕/ 8,000 後230〔313〕/ 8,000
モーター最大トルク(Nm/rpm) 430 / 0-­5,000 前365 / 0­-5,000 後430 / 0-­5,000
システムトータル最高出力(kW〔ps〕) 400〔544〕
システムトータル最大トルク(Nm) 795
一充電走行距離WLTCモード(km) 595 542
車両本体価格 910万円 1,218万円

BMW 4シリーズはShonan/Toto BMWの各店舗でお買い求めいただけます。

流麗で美しいボディを持ちながら、スポーツカーのように楽しめる4シリーズ。

現行モデルはクーペ、カブリオレに加え、使い勝手の良い4ドア仕様のグランクーペやBEVモデルのi4がラインアップされており、選択肢が広いことも嬉しいところです。

現行モデルの4シリーズは、Shonan/Toto BMWの各店舗でお買い求めいただけます。また、各店舗での試乗も承っております。

※試乗をご希望される方は、こちらの専用フォームからお申し込みください。

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さらにShonan/Toto BMWでは、4シリーズの認定中古車も販売しております。

※在庫検索は以下のリンクから行えます。

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4シリーズに関してのお問い合わせも随時受付けております。ぜひお気軽にご相談ください。

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BMW Column編集部

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