【BMW 3シリーズ】歴代モデルの特徴や変遷、現行ラインナップを紹介

SAV(=SUV)であるXシリーズや、コンパクトクラスの1シリーズなど、今では多くのラインナップを取り揃えるBMWですが、やはりその大黒柱となるのは「3シリーズ」です。

それはBMWが元来持っている、軽量、コンパクトで走りの良いFRセダン、といった特徴を最も忠実に具現化しているから。

今回はそんな3シリーズの魅力を、歴代モデル、現行モデルを紹介しつつ、お伝えしていきたいと思います。

 

BMW 3シリーズの特徴

「コンパクト・スポーティー・セダン」

この単語を聞いて、BMW3シリーズを思い浮かべる車好きの方は少なくないはずです。

現在ではよりコンパクトなセダンも存在しますが、それらの多くはCセグメントのFF車をベースに開発されたもの。

「駆けぬける歓び」を標榜するBMWの代表としては、やはりFR車である3シリーズがふさわしいということになります。

4ドアセダンというと退屈な車という印象を持たれがちですが、3シリーズに限っては、その言葉は当てはまりません。

高いシャーシ性能と前後のバランスにこだわった設計により、素直な、そして切れの良いハンドリングを実現しています。

「ハンドルを握るのが楽しくなるセダン」

それが3シリーズの特徴です。

歴代のBMW 3シリーズ

3シリーズの歴史は、BMW存続の危機を救った大ヒットシリーズ、ノイエ・クラッセに端を発します。

ノイエ・クラッセ1600の派生バージョンとして2ドアバージョンの1600-2がうまれ、その後1800ccの1800-2を経て、名車「2002」シリーズに発展するのですが、この「02(マルニ)」が3シリーズのご先祖様です。

初代BMW 3シリーズ(1975-1983年)E21型

初代3シリーズは1975年にデビュー。

02シリーズの後継車として開発され、ボディ形状は2ドアセダンのみの設定でした。

ボクシーなデザインとノイエ・クラッセから続く伝統のM10系エンジンを搭載する点は、02シリーズの影響を色濃く残しているといえます。

グレードはキャブレター仕様のの316、318、320と、インジェクション仕様の320iがあり、1977年に伝家の宝刀、直6エンジンを搭載した320/6と323iが追加されました。

【初代318のスペック】

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
318 4,355 1,610 1,380
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(DIN)
ガソリン 1,766 98馬力

 

2代目BMW 3シリーズ(1982-1994年)E30型

2代目E30型の3シリーズは1982年にデビューしました。

日本ではバブル期に大人気車種となり、そのあまりの売れ行きに、「六本木カローラ」と揶揄されたほどです。

デザインは初代に比べ丸みを帯びたデザインとなり、2ドアセダンの他、4ドアセダン、カブリオレ、ステーションワゴンと多彩なボディバリエーションが展開されたのが特徴です。

【2代目318i(後期型1987〜)のスペック】

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
318i 4,325 1,645 1,365
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(DIN)
ガソリン 1,795 113馬力

 

3代目BMW 3シリーズ(1990-2000年)E36型

1990年にデビューした3代目、E36型の3シリーズは、この頃から重要視されるようになった対衝突安全性と居住性の向上のためにボディを拡大。

また02シリーズから引き継がれていた伝統的な丸形4灯ヘッドライトを廃止し、異形4灯ヘッドライトに変更したことが特徴です。

またリアのサスペンションをセミトレーリングアーム式からマルチリンク式サスペンションに変更したことから走りの質も大幅に向上しました。

【3代目318i(後期型1993〜)のスペック】

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
318i 4,432 1,697 1,392
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(hp/rpm) 最大トルク(Nm/rpm)
ガソリン 1,796 114/5,500   168/3,900

 

4代目BMW 3シリーズ(1998-2007年)E46型

4代目E46型の3シリーズがデビューしたのは1998年。

E36型の正常進化といった位置づけで、初代から改良と熟成を重ねた3シリーズが、一つの完成形に達したモデルといえます。

ボディサイズはE36型から大幅に拡大し、居住性が一気に向上しました。

【4代目318i(マイナーチェンジ後2001〜)のスペック】

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
318i 4,470 1,739 1,415
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(Nm/rpm)
ガソリン 1,995 143/6,000   200/3,750

 

5代目BMW 3シリーズ(2005-2012年)E90型

2005年にデビューしたE90型、5代目の3シリーズは、ボディサイズをE46型に比べ更に拡大。

これまで不満の声もあった後席の居住性を大幅に改善しました。

デザイン面ではヘッドライトが「吊り目」になり、現行G20型の原型が見て取れます。

【5代目320i(前期型2005〜)のスペック】

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
320i 4,525 1,815 1,440
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(Nm/rpm)
ガソリン 1,995 150/6,200   200/3,600

 

6代目BMW 3シリーズ(2012-2019年)F30型

2012年デビューのF30型、6代目の3シリーズは、先代に比べて全長が93mm、ホイールベースが50mm拡大しています。

しかし日本仕様の全幅に関しては、立体駐車場への対応からドアハンドルを日本専用設計とし、1800mmに抑えることに成功しています。

【6代目320iのスペック】

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
320i 4,625 1,800(日本仕様) 1,440
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(Nm/rpm)
ガソリン 1,997 184/5,000   270/4,600

 

7代目BMW 3シリーズ(2019年-現在)G20型

G20型7代目3シリーズは、2019年にデビューした現行モデルです。

ボディサイズは先代より更に大型化し、リトル5シリーズともいえる堂々としたフォルムとなりました。

このボディの大型化は衝突安全性能の向上にも寄与。

さらにドライビング・アシスト・プロフェッショナルの装備によって、一定の条件下でハンズフリー走行を実現し、疲労の軽減、安全性の向上を果たしています。

 

【7代目320iのスペック】

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
320i 4,715 1,825 1,440
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(Nm/rpm)
ガソリン 1,998 184/5,000   300/1,350-4,000

 

BMW 3シリーズのラインナップ

【318iのスペック】車両本体価格¥5,840,000(税込)

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
318i 4,715 1,825 1,440
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(Nm/rpm)
ガソリン 1,998 156/4,500   250/1,350-4,000

【320iのスペック】車両本体価格¥6,250,000(税込)

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
320i 4,715 1,825 1,440
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(Nm/rpm)
ガソリン 1,998 184/5,000   300/1,350-4,000

【320d xDriveのスペック】車両本体価格¥6,080,000(税込)

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
320d xDrive 4,715 1,825 1,450
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(Nm/rpm)
ディーゼル 1,995 190/4,000   400/1,750-2,500

【330eのスペック】車両本体価格¥6,850,000(税込)

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
330e 4,715 1,825 1,450
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(Nm/rpm)
ガソリン 1,998 184/5,000   300/1,350-4,000

※モーター最高出力113ps/最大トルク250Nm

【M340i xDriveのスペック】車両本体価格¥10,000,000(税込)

モデル名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm)
M340i xDrive 4,720 1,825 1,445
エンジンの種類 総排気量(cc) 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(Nm/rpm)
ガソリン 2,997 387/5,800   500/1,800-5,000

 

まとめ

「駆けぬける歓び」を最も忠実に具現化している3シリーズ。

スポーツセダンの真髄が全て詰まっているといっても過言ではありません。

他ブランドに乗っていらっしゃる方はもちろん、BMWの他のシリーズに乗っていらっしゃる方も、一度はハンドルを握ってみる価値のある1台です。

ライター情報

BMW Column編集部

BMW Column編集部です。 このコラムでは、車にまつわる情報、BMWに関する面白くてタメになる知識を発信していきます。ぜひ更新を楽しみにしていてください♪