ミニなSUV MINI CROSSOVER

ステーションワゴンやミニバンの流行は影をひそめ、世はSUV人気真っ盛り。世界中の自動車メーカーがプレミアムクラスからコンパクトクラスまでSUVのラインナップを拡充し、販売を競い合っています。プレミアムなコンパクトカーであるMINIも例外ではありません。ラインナップに「MINIクロスオーバー」というモデルを加え、MINIファンの期待に応えています。しかしそこは他の車とは一線を画す独自の世界観を持つMINIのこと。ありきたりの退屈なSUVは作りません。そこにはMINIらしさがぎっしりと詰め込まれているのです。今回はそんな「MINIなSUV」MINIクロスオーバーの魅力をたっぷりとお伝えしてまいります。


MINI CROSSOVERの歴史

ご先祖様はオースチン・ミニ・カントリーマン/モーリス・ミニ・トラベラー

実はMINI クロスオーバーは日本以外では「MINIカントリーマン」というネーミングで販売されています。その御先祖様はBMC(ブリティッシュ・モーター・カンパニー)時代の1960年にデビューした、オースチン・ミニ・カントリーマン/モーリス・ミニ・トラベラーというモデル。ただ当時はSUV(スポーツユーティリティヴィークル)という概念自体が存在せず、同社のランドローバー(現在のディフェンダー)シリーズのような本格的なクロカンモデルしか存在しなかったため、どちらかというとバケーションに荷物を満載して出かけるためのステーションワゴンといった性格のモデルでした。一方新世代のMINI クロスオーバーは2010年にデビュー(日本導入は2011年)。SUVブームの先駆けというべき時期でした。

MINIだけど”ミニ”じゃない?!

一番大きな「MINI」

MINIといえばコンパクトカーの代名詞のような存在ですが、その中でクロスオーバーは一番大きなMINIというユニークなモデルとなっています。
全長 (mm) 全幅(mm) 全高(mm)
ONE(3Door)  3835 1725 1430
CLUBMAN   4275 1800 1470
CROSSOVER 4315 1820 1595

ONE(3ドア)と比べてみると、全長で480mm、全幅で95mm、全高で165mmも大きく、その堂々としたボディはもはや「ミニ」と呼ぶのがためらわれるほどです。

室内が広く、眺めがイイ

元々MINIはコンパクトなサイズながら、

  • ボディが四角い
  • A/B/Cの各ピラーが「立ち気味」

というユニークなデザインのため室内が立方体に近く、居住性に優れています。その上クロスオーバーはONE(3ドア)と比べて全長で約50cm、全幅で約10cmも大きいのですから、車内は広々、大人4人がゆったりとくつろぐことができます。また全高が16cm以上も高く、シート位置も高いためアイポイントを高く保つことができ、SUVらしい「眺めの良さ」を楽しむことも可能です。


いつでも、どこへでもいけるMINI
走る道を選ばない四輪駆動システム「ALL4」

MINI クロスオーバーが採用するALL4(FFモデルもあり)は、路面の状況によって4輪に最適なトルク配分をするフルタイム4WDです。通常は前輪:後輪に100:0の割合でトルクが分配され、FF車のように振る舞うのですが、雪道や未舗装路などの滑りやすい路面では、最適なトルクをフロントとリアに振り分けることでタイヤの空転を抑え、バランス良く駆動力を発生させ安定感を増す走りを実現します。また高速域での優れた直進安定性も魅力。まさに「走る道を選ばない」四輪駆動システムなのです。

ノーマルのMINI+4㎝!余裕の「最低地上高」

ONE(3ドア)の最低地上高は124mm(空車時)。ゴーカートライドと呼ばれる独特の走りのフィーリングはこの地上高の低さも寄与しているのですが、キャンプなどに行ってちょっとした未舗装路を通る時などはフロアを擦ってしまわないか気をつかいます。その点クロスオーバーの最低地上高は165mm(空車時)!ONE(3ドア)に比べて41mmも高く、荒れた道でも安心して走破することができます。

豊富なパワートレイン

MINIファミリーの中で最もパワートレインのバリエーションが豊富なのも、MINI クロスオーバーの魅力です。

ガソリンエンジン

現在MINI クロスオーバーでガソリンエンジンが搭載されているのは、

  • ベーシックモデルの「バッキンガム」
  • 最強の「JCW(ジョン・クーパー・ワークス)」

という最もベーシックなモデルと最もパワフルなトップモデルの2車種のみです。バッキンガムの3気筒DOHCは102ps/190Nmという必要にして十分なパワーを発生。そしてJCWはMINIファミリーで最もパワフルな306ps/450Nmというパワーをたたき出します。

クリーンディーゼルエンジン

ノーマルモデルのMINIに比べ若干ウエイトの重いクロスオーバーには、太いトルクを発生させるディーゼルエンジンがベストマッチ。

  • クーパー D/クーパー D ALL4・・・150ps/350Nm
  • クーパー SD ALL4・・・190ps/400Nm

PHEV(プラグインハイブリッド)もある

MINI クロスオーバーにはPHEV(プラグインハイブリッド)も用意。このユニークで魅力的なPHEVについては次にくわしくお伝えします。


PHEVはCROSSOVERのみ

実はこのPHEV、MINIファミリーの中ではこのクロスオーバーにしか設定がありません。つまりPHEVのMINIに乗りたい場合はクロスオーバーを選択するしかないということになります。フロントに横置きに積まれる1.5リッター直列3気筒ターボは、最高出力136PS、最大トルク220Nmを発生。それに加え電気モーターが最高出力88PS、最大トルクを165Nmにするため、トータルでシステム最高出力224PSと同最大トルク385Nmというかなりパワフルな動力性能を持ったモデルとなります。

MINIなのに「FRになる瞬間」がある⁈

そしてここがMINI クロスオーバーのPHEVバージョンである「クーパーSE クロスオーバー ALL4」の面白いところなのですが、なんとPHEV専用のハイブリッド4WDシステムを採用しているのです。
このシステムは、

  • 前輪・・・ガソリンエンジンで駆動
  • 後輪・・・モーターで駆動

もちろんPHEVなので、電気だけで約50km(参考値)程度走行することもできるのですが、ここで面白い現象が生じます。電気だけで走る場合、つまりモーター駆動の場合は後輪だけを動かすわけですから、なんとあのFF車の代名詞であるMINIが「FR」で走行することになるわけです。もちろんこんな芸当ができるのは、MINIファミリーの中ではクロスオーバーだけの特権となります。

まとめ

MINIファミリーの中では「最も大きなMINI」であるクロスオーバーですが、大柄なボディの多いSUVの中では比較的コンパクトな部類に入ります。しかしそれでいて居住性は抜群!さらにノーマルのMINIよりも広いカーゴスペースがありますから、キャンプなどのアウトドアライフにもピッタリです。MINIの世界観をしっかりと維持しながらその枠からはみ出す楽しさを持つMINI クロスオーバー。ぜひ一度この楽しさを体験してみてください。


Copyright 2020 Motoren Toto MINI