初代MINIとなる通称「クラシックMINI」は、1959年に誕生しました。当時、MINIを販売したのはBMC（British Motor Corporation）です。 MINIを設計したのは、ギリシャ出身のエンジニア「アレック・イシゴニス」。 BMCが展開するブランド「オースチン」と「モーリス」でMINIが 販売されました。当時のMINIは非常にコンパクトな車ですが、これはBMC社のエンジンをベースとしてミッションを上部にレイアウトし、エンジンのオイルパンがギアボックスを兼任する形で搭載しているためです。コンパクトだからこそ、MINIの愛くるしいフォルムを実現できたんですね。

クラッシックMINIは、2001年までに530万台も販売されました。愛くるしいフォルムで人々に親しまれたことが理由であるのは間違いありませんが、当時は一般的ではなかったFF車であることも関係しているのでしょう。 当時の人々にとって、クラシックMINIはとても目新しい車に移ったのです。優秀な基礎設計とデザインが評価され、今なお数多くの愛好家がいます。現在でも部品が供給されているため、故障したときの対処も問題ありません。専門店も全国各地にあるため、さまざまな地域でクラシックMINIが走っている姿を見れますよね。

自動車技術者のジョン・クーパーは、レース界でMINIの高い走行性を大胆にアピールしました。MINIと言えば、愛くるしいフォルムでかわいらしいデザインが魅力的な車ですが、走行性能が非常に高く、モンテカルロラリーで連続優勝した経験もあるほどです。軽快なハンドリングはMINIの魅力の1つ。これはゴーカートフィーリングと呼ばれ、レース界で注目されるようになりました。MINIのことを今なお「ミニ・クーパー」と呼ぶ方もいますが、これはジョン・クーパーの名前が由来です。 

初代クラシックMINI「MK1」は、1959年～1967年まで、 「オースチン・セブン」と「モーリス・ミニ・マイナー」の名称で展開されていました。オースチン・セブンの名称は、イギリスで一世を風靡したオースチン・モーター・カンパニーの系列会社で生産されたことにちなんでいます。 「MK1」は、1960年代始めまで大ヒットを記録しました。エリザベス2世女王やビートルズなど、各界の著名人も乗っていたことも大ヒットした理由の1つでしょう。

2代目MINIは、1967～1969年の2年間のみ展開されていました。フロントグリルのデザイン変更やリアウィンドウの拡大、上級モデルの排気量は998ccへ、さまざまな部分が変更されています。 さて、MINIと言えば、映画の「ミニミニ大作戦」をご存知でしょうか。1969年公開の映画ですが、2003年にリメイクされ、再び大きな話題を呼びました。2003年の映画に登場したのは、クーパー2台とクーパーS1台、そして1969年公開の映画には、「MK2」が登場しました。

1969～1992年に展開された「MK3」は、スライドガラスの巻き上げ式への変更、エンブレムの変更などがありました。この時期には、BMCはBLMCへと組織変更されています。 また、同時期にクラブマンシリーズも登場しています。クラブマンは、BMW MINIにおいても人気のラインナップですが、当時は売上が伸び悩み、生産中止されました。「MK3」と比べて角ばったデザインだったため、MINIのオリジナリティを活かしきれなかったためでしょう。 また、1986年からはローバーブランドでMINIが販売されており、当時のクラシックMINIは「ローバーミニ」とも呼ばれています。

そして、クラシックMINIの最後の世代が「インジェクションタイプ」です。1992年～2000年まで展開されていました。インジェクション採用、排気量は1,271cc、出力・トルクともに向上と、走行に関わる部分が大幅に変更されました。 MINIは、見た目を楽しむだけの車ではなく、走る喜びを感じられる車です。昔からのMINIファンだけではなく、現代チックなデザインを好む人からも支持を得ています。また、1999年にMINIの発売40周年を記念して、「40thアニバーサリー・リミテッド」が国内で販売されました。

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