「性能と快適性の両立」Mパフォーマンスモデルの魅力

1シリーズから7シリーズ、そしてSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)のX1からX7に至るまで、豊富なラインナップを誇るBMW。
またさらに各シリーズ内でもエンジンや装備の違いによって多くのモデルを取りそろえています。
その中でも特に最近ラインナップを充実させているのが「Mパフォーマンスモデル」と呼ばれるグレード。
高級車としての快適性はそのままに、BMWが掲げる「駆けぬける歓び」を追求した「ノーマルモデルの最高峰」と呼ぶべき高性能モデルです。
今回はこのMパフォーマンスモデルの魅力をたっぷりとお伝えしてまいります。

Mパフォーマンスモデルとは?

BMWの高性能モデルといえばM社が開発する「Mモデル」が存在します。
このMモデルやノーマルモデルとMパフォーマンスモデルはどのように違うのでしょうか。

通常モデルの最上位!

Mパフォーマンスモデルを簡単に定義しますと、『各カテゴリー、セグメントにおけるBMWのトップ・エンド・モデルをベースに、パワートレインおよびシャシーに、BMW M社がスポーティなチューニングを施したモデル』ということになります。
BMWの、つまりM社が開発するMモデルを除いた最上位モデルと考えていただければ良いと思います。

ノーマルモデルとの違い

ノーマルモデルとは、エンジン、シャシーなどのチューニング、専用のエアロパーツなど多くの部分が異なり、M社のテクノロジーが余すところなく注ぎ込まれています。
一例を挙げますと、1~5シリーズではノーマルモデルには直列4気筒以下のエンジンしか積まれていません。
BMWが誇る伝家の宝刀「直列6気筒エンジン」はMパフォーマンスモデルにしか搭載されないのです(7シリーズ、8シリーズを除く)。

Mモデルとの違い

どちらもM社の手が入るMモデルとMパフォーマンスモデルは違いが分りにくく、混乱される方も多いようですが、簡単にいいますと

  • Mモデル・・・M社が車両自体を「開発」
  • Mパフォーマンスモデル・・・M社がノーマルモデルを「チューニング」

ということができます。
3シリーズでいうと、M3はBMW M社が開発したマシンで、M340i xDriveはBMW M社がチューニングしたモデルというわけです。

Mモデルはサーキット走行がターゲット

Mモデルは初代M3がレース出場のためのホモロゲーションモデルだったことからも分るとおり、「サーキット走行」を念頭に置いて開発されています。
一方Mパフォーマンスモデルは一般道をより速く、より快適に走ることを目指してチューニングされているのです。

B型エンジンとS型エンジン

Mパフォーマンスモデルにはノーマルモデルにも載せられているBで始まる型式のエンジンをM社がチューニングを施して搭載します。
ちなみにM340i xDrive のエンジン型式はB58B30Bです。
一方MモデルにはM社が専用に開発したSで始まる型式のエンジンが搭載されています。
M3のエンジン型式はS58B30Aです。
このようにエンジンだけを見てもMパフォーマンスモデルはノーマルモデルの最高峰、Mモデルは専用設計の特別モデルということが分ります。

3シリーズでM・Mパフォーマンス・ノーマルモデルを性能比較する

ここでは3シリーズを例に取り、ノーマル・Mパフォーマンスモデル・Mモデルを比較してみます。

こうして比較して見るとMパフォーマンスモデルは

・エンジン出力は比較的Mモデルに近い高出力型
・ボディサイズはノーマルモデルとほとんど変わらない

ということが分ります。

Mモデルのような派手なオーバーフェンダーやエアロパーツは装着しないが、エンジンはMモデルに近い高いパフォーマンスを発揮する。
ノーマルモデルっぽく見せておいて、走ると凄い!
Mパフォーマンスモデルはまさに「羊の皮を被った狼」といえるのではないでしょうか。

Mパフォーマンスモデルのメリット

Mパフォーマンスモデルのメリットは「扱いやすい高性能」という点にあります。

街中でも扱いやすいパワーと乗り心地

最近のMモデルは乗り心地が良いというものの、やはりサーキット走行を前提とするため足回りはしっかりと固められ、荒れた路面などでは突き上げが気になる場合があります。
一方でMパフォーマンスモデルではノーマルモデルよりは締め上げられているものの、Mモデルほどではありません。
街乗りにも適した乗り心地といえます。
またエンジンパワーにおいても、上で比較したM3では510psものパワーをFRで路面に伝えるため、雨天時に不用意にアクセルを踏み込むとトラクションコントロールが作動してタイヤが空転してしまいます。
しかし一方のM340i xDriveでは387psのパワーをxDrive(4輪)で路面に伝えますから、どんなときでも躊躇なくアクセルを踏み込むことができるのです。
「一般の方が使い切れる最高のパフォーマンス」
それがMパフォーマンスモデルのメリットです。

現行Mパフォーマンスモデル一覧

現在BMWのほとんどの車種にMパフォーマンスモデルが設定されているのですが、こうして一覧すると、Xシリーズを含めxDrive=4輪駆動のモデルが多いのが分ります。
ここからも「高いパフォーマンスを安心して楽しんでいただく」ということがMパフォーマンスモデルの趣旨であると考えられるのではないでしょうか。

  • M135i
  • M240iクーペ
  • M235i xDriveグランクーペ
  • M340i xDriveセダン/ツーリング
  • M440i xDriveクーペ/カブリオレ
  • M550i xDrive
  • M760Li xDriveセダン
  • M850i xDriveクーペ/カブリオレ/グランクーペ
  • X2 M35i
  • X3 M35i/M40i/M40d
  • X4 M40i
  • X5 M50i
  • X6 M50i
  • X7 M50i
  • Z4 M40i

もっとも「駆けぬける歓び」を感じられるモデルかもしれない

確かにMモデルは最高のパフォーマンスを発揮しますが、それを楽しむためにはサーキットに持ち込まなくてはなりません。
その点Mパフォーマンスモデルの実力は街中で、誰でも、気軽に堪能することが可能です。
もしかしたらMパフォーマンスモデルこそもっとも「駆けぬける歓び」を感じられるモデルなのかもしれません。

ライター情報

BMW Column編集部

BMW Column編集部です。 このコラムでは、車にまつわる情報、BMWに関する面白くてタメになる知識を発信していきます。ぜひ更新を楽しみにしていてください♪