人生に一度でいいので、その狂気のM Worldに 足を踏み入れてみませんか。

BMW Team Studie 代表兼監督
Studie AG 代表取締役/CEO
鈴木 BOB 康昭

Toto BMWユーザーの皆様、こんにちは
BMW Team Studieの監督を務める鈴木でございます。

いつも熱い応援を賜り、心より御礼申し上げます。

僭越ですがToto BMWさんのホームページに今回二度目の投稿をさせて頂きます。

前回はBMW iについて私なりの熱い想いを筆にしました。
今回はその対極に位置するBMW Mです。
究極のBMWたるMについて少しお話をさせて頂きます。

今から遡る事丁度50年前にミュンヘンのBMW AG本社でメカニックとして働いていた
ジョセフ・シュニッツアーと言う若者がそれはそれはレースが大好きで、
自ら所有する2002tiiをイジりにイジって、とうとうプライベーターながら
当時のドイツツーリングカー選手権で優勝してしまいました。

BMWはその情報を聞きつけジョセフに、
「お前はメカニックしなくていいからもっとレースをしなさい!」
と言います。

ジョセフは大喜びです。そして、その活動を社として後押しするのが
実はBMW Mの活動の全てのスタートなのです。

世の中は急成長時代です。
モータースポーツは一年前がウソの様に発展していきます。
ジョセフがリーダーシップを取って、それが壮大なBIG Projectに繋がっていきます。

当時、驚くほどヨーロピアンフォードが強かったんです。
カプリというマシンでした。
それを破る為に様々な優秀なエンジニアを他社から引き抜いてBMWは最強のM Teamを造ります。
これが今のMの全ての前身です。
サーキットの狼でも著名な3.5CSLの時代の話です。

その後、更なるステージに上がる為にレーシングカー=市販車を
造らなければならなくなり創られたクルマ、それがBMW M1です。
Mの称号を背負った最初の市販BMW、それがM1です。

時代が荒れていたせいもあり、そのM1はモータースポーツの中心で
レッドカーペットに上がる事はかないませんでしたが
F-1の前座ワンメイクレースとして華々しく世界中から注目を浴びました。

その後、E24M6のツーリングカー、そしてE30M3の
DTM黄金時代に進んでいきます。

レーシングカーと市販のMは全く別物とお考えの方もいらっしゃると思いますが、
ベースが良くないクルマを基に創り上げられたレーシングカーで速いマシンはありません。

実際に僕らが今期使用しているM6GT3においては、エンジンも
ターボシステムも市販車と全く同じモノを使っております。
そのエンジンやターボが灼熱の鈴鹿で1,000km、6時間以上
レーシングスピードで走るんです。

それと同じエンジンを積んだマシンがToto BMWさんで
普通に購入出来て、普通に一般道を走れるんです。
これこそがリアルレーシングをベースとしているM Modelの真骨頂であると思います。

私はこの21年で12台のMを乗り継ぎました。
そんな私が声を大にしてお伝えしたいのは、飛ばしてない時の
M独特の気持ち良さ、そして心地良さです。

勿論、飛ばしている時の気持ちよさはアドレナリンやらドーパミン
出っぱなしで最高に恍惚な一時ですが、実は飛ばしてない時の
ただゆっくりと流している時のMのビートの効いた心地良さを
是非一度皆様に味わって頂きたいと思います。

通常のBMWよりも大きな吸気音に排気音。
常に上まで廻りたがっているエンジンがマナー良く低〜中速度域を
保つ独特な感じが、妙に心地よく、最上のマシンを所有している
歓びに浸る事が出来ます。

現ラインナップでのお話をするとまずは末っ子のM2。
末っ子らしく、かなりの暴れん坊です(笑)

でも、ドライビングプレジャーを求めるに最もシンプルでダイレクト
な存在であり、全てが直結した様な走行性能は、少々クラッシックな
味わいさえ持ち合わせた最新の Small M Modelです。

M3/M4は1,000万円級のライバル達と比較しても劣らないエレガント
でありながら、スポーティな佇まいを見せますが
中身についてはM2にヒケを取らぬほど過激でダイレクトなドライビングマシンです。

ポイントはSPORTモード。
これさえ押さなければジェントルでマナーの良いドライブが可能ですが
一度、その禁断のボタンを押すと全てが豹変します。
エンジンのピックアップ、吹け上がりの速さ、そしてサウンドが
ドライバーを過激なほど刺激して参ります。
その二面性を巧く使いこなせばこなすほど、M3&M4の評価は
最上なものになるものと思われます。

続いてM5/M6
前記した様に我々の使用するレーシングカー、M6GT3と全く同じ
エンジンとターボシステムを搭載する二台。
速くないわけがありません。
ポルシェターボやフェラーリですら追い回す事が可能です。

特筆すべきは、やはり全開時ではない時のマナー。
M5は快適な乗り心地とプレミアムな空間を提供し、M6は高速上の
ライオンのごとく堂々と優雅に、そのプライスタグ以上の存在感で
誰にも負けない優越感を演出します。

そして、忘れちゃいけないのがX5M&X6M
ちなみに私の現在の愛車はX5M

やはりM6GT3と同じエンジンそしてターボシステム。
それを、コンピュータの書換え、エキゾースト廻りのフル交換
(あっ、ちゃんと車検対応パーツです)そしてインテークの
モディファイで、800馬力までパワーをあげています。
ストレートだけならうちのM6GT3より速いです。
そのクルマがキチンと止まり、そして曲がれるんです。

Mの世界は深いです。
本当に深くて、そして、魔力の様な魅力があります。
飛ばさなくてもその楽しさは伝わります。
人生に一度でいいので、その狂気のM Worldに足を踏み入れてみませんか。

その活力が貴方の人生変えるかもしれませんよ