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総務省の調査によると、世帯におけるスマートフォンの保有割合は約80%となっています。
国民の大多数がスマートフォンを所有する現在、公共交通機関での移動の際だけではなく、クルマでの移動時にもスマートフォンの機能を利用したいというのは自然な流れなのかもしれません。
そこで誕生したのがAppleのiPhoneを利用する「Apple Car Play」と、GoogleなどのAndroid端末を利用する「Android Auto」です。
今回は、
- Apple Car PlayやAndroid Autoで何が出来るのか?
- Apple Car PlayとAndroid Autoを使う際の注意点
- Apple Car PlayとAndroid Auto、自分にはどちらが向いているのか
といったことについて詳しくお伝えしてまいります。
Apple Car PlayやAndroid Autoでできること
まずはApple Car PlayやAndroid Autoを使うメリットと、具体的に「何が出来るのか」について解説いたします。
Apple Car PlayやAndroid Autoを使うメリット
使い慣れた機能やアプリを直感操作で使える
Apple Car PlayやAndroid Autoでは普段使い慣れたスマートフォンのアプリや機能を、いつもの操作感でそのまま使うことができます。
カーナビやカーオーディオの使い方を新たに覚える必要はありません。
スマートフォンとシームレスに使える
Apple Car PlayやAndroid Autoではスマートフォンで保存したデータや履歴をそのまま利用することができます。
例えばあらかじめスマートフォンのマップアプリで目的地やルートの検索をしておけば、車に乗ってスマートフォンを接続してApple Car PlayやAndroid Autoのナビ機能ですぐに出発。
目的地に到着したらスマートフォンを取り外し、徒歩ルートをガイドするというシームレスな使い方ができるのです。
データ更新がラク
Apple Car PlayやAndroid Autoではナビのマップデータや音楽データなどを「わざわざ」更新する必要がありません。
スマートフォン内で常に最新の状態にアップデートされているからです。
Apple Car PlayやAndroid Autoで使える主な機能
通話
音声入力で登録されている相手の名前を呼び出して通話をしたり、留守番電話をチェックすることができます。
メッセージの確認・送信
ショートメッセージやメールなどを音声で読み上げてくれたり、音声入力で送信したりすることができます。
マップ
ナビ画面を表示し、普段使い慣れたタップ操作や音声入力で操作することができます。
最近スマートフォンで検索した場所や、過去に訪問した場所のデータを利用できるのはもちろんのこと、周辺施設やガソリンスタンド、駐車場などのデータも常に最新のものを利用することが可能です。
音楽を聴く
スマートフォン内の音楽や、AppleMusic、YouTubeMusicなどの音楽配信サービスにクルマからアクセス。
予め用意しておいたお気に入りのプレイリストなども自由に聞くことができます。
スマートフォン単体との違い
スマートフォンの機能を利用するなら、「ダッシュボードにスマートフォンを取り付けておけば事足りる」という意見もあります。
実際最近のスマートフォンは画面サイズも大型化し、視認性だけでいえば問題がないかもしれません。
ただ、スマートフォンをダッシュボードなどに設置した場合、設置位置によっては太陽光による温度上昇の影響で熱暴走が起こったり、視認性が極端に悪くなってしまう可能性があります。
またアプリにもよりますが、ユーザーインターフェースや地図の見え方を「車内専用モード」に設定し、クルマの中で使いやすくしているものもあるため、Apple Car PlayやAndroid Autoを使うメリットは十分にあるといえるでしょう。
Apple Car PlayやAndroid Autoを使うときの注意点
自分のクルマが対応しているかを確認する
まずは自分が乗っているクルマがApple Car PlayやAndroid Autoに対応しているかを確認します。
対応していない場合は使用することはできません。
自分のクルマとスマホのOSが一致しているか確認する
Apple Car PlayはiPhoneでしか、Android AutoはAndroid端末でしか使用することはできません。
そのため自分のクルマがApple Car Playにしか対応していないのに手持ちのスマートフォンがAndroid端末だったり、逆にクルマがAndroid Autoにしか対応していないのに、手持ちのスマートフォンがiPhoneだったりした場合、使用することはできません。
使いたいアプリが対応しているか確認する
スマートフォン内のアプリがApple Car PlayやAndroid Autoに対応していなければ、接続しても使用することはできません。
例えばGoogle MapやSpotifyなどはApple Car PlayにもAndroid Autoにも対応していますが、「Apple Car Playのみに対応」とするアプリも少なくありません。
ただ今後のアップデートで双方に対応するとしているアプリもあります。
Apple Car PlayとAndroid Autoどちらがおすすめ?
では自分のクルマがApple Car PlayとAndroid Auto両方に対応している場合、どちらを使えばよいのでしょうか。
基本的に自分が持っているスマートフォンで決まる
基本的には自分が持っているスマートフォンで決まります。
iPhoneならApple Car Playですし、Android端末ならAndroid Autoとなります。
使用している音楽サービスで選ぶ
iPhone、Android端末の両方を持っている場合などは、使用している音楽サービスで選ぶのも一つの方法です。
普段AppleMusicを聴いているのであればApple Car Play、YouTubeMusicならAndroid Autoということになります。
普段聞いているのがSpotifyならどちらにも対応しているため、どちらを使用してもかまいません。
Google Mapを使い込むならAndroid Auto
Apple Car PlayでもGoogle Mapを使うことはできますが、Google Mapの機能を使い込むならOSの標準機能としてGoogle Mapが内蔵されているAndroid Autoがおすすめです。
(最近ではApple標準のMAPもかなりの高機能になっています)
対応アプリが多いのはApple Car Play
iOSのアプリを開発する企業が多いこともあり、対応アプリが多いのはApple Car Playになります。
豊富なアプリをクルマで使用したいのであれば、Apple Car Playにやや分があるといえるでしょう。
BMWならスマートフォンが「デジタルキー」に!
BMWは自動車メーカーとして世界で初めて、iPhoneを使用した「デジタルキー」を実用化しました(現在は一部のAndroid端末でもデジタルキーを利用できます)。
ドアのロック・アンロックはもちろん、他の人に運転を任せたい時は、デジタルキーを最大5人で共有することも可能です。
クルマ自体のインフォテイメントシステムとの棲み分け
最近ではクルマ自体にスマートフォンと同じSIMカードを差し、通信機能をもたせたインフォテイメントシステムを備えているクルマも増えてきました。
これからは「気軽に使う」Apple Car PlayやAndroid Auto、じっくりと使い込むクルマのインフォテイメントシステムという棲み分けになっていくのかもしれません。